大分団地新聞に連載しました

【第1回】離婚の財産分与は必ず全財産の半分なの?
 第1回目は、離婚にあたってよくある誤解として、「財産分与は、必ず全財産の半分なの?」という質問について取り上げます。
 財産分与は、夫婦が協力して築いてきた財産(自宅や預金、証券など)を、離婚にあたって分ける制度です(民法768条)。例えば、夫が会社で働き、給料を得て、妻は家事育児に専念していたために、財産の名義が全て夫であるような場合には、夫は妻の貢献によって財産を形成・維持できたのだから、離婚にあたっては、一定の割合を妻に分与して清算しなければなりません。
 一般にこのような財産分与は、常に夫と妻の財産を足して2で割らなければならないという誤解がありますが、実際には、分与の割合は、2分の1を原則としながらも、財産の形成・維持に対する寄与の程度によって修正されることになります。例えば夫婦の一方が特別な努力で多額の収入を得た場合には、分与の割合を増やし、逆に一方が極端な浪費をしたような場合には分与の割合を減らすこともあり得るのです。
 なお、財産分与は婚姻前からの財産については対象となりませんが、夫婦の他方が財産の維持に特別に貢献した場合には、一定の範囲で財産分与を求めることができる場合があります。
弁護士法人 おおいた市民総合法律事務所