大分団地新聞に連載しました

【第7回】労災申請は勤務先会社が認めなければできない?
 第7回目は、労災(労働災害)補償は、会社が認めなければ申請することができない、という考え方について解説します。
 労災には、仕事中に怪我をしたり、仕事による肉体的疲労や精神的ストレスで病気になったりする場合があります。病気の中には、心筋梗塞のような肉体的な病気やうつ病のような精神的な病気があります。これらの怪我や病気について、仕事が原因と認められれば、労災として、治療費の他に休業による賃金補償や、死亡の場合の遺族の生活補償のための一時金や年金が支給されます。このような労働災害による補償は、勤務先のある地域の労働基準監督署に対して申請をすることになっていますが、申請書類には、医療機関による証明欄の他に、勤務先による証明欄があり、勤務先の記名押印が必要となっています。
 このようなこともあって、一般に、労災申請は会社が認めなければできないと考えている人が多く、実際に労災にあっても、会社が認めないために申請を断念する人が多いのが現状です。
 しかし実際には、労災申請は、会社が認めない場合には、会社が認めないことを申告して、被害者だけで申請することが可能です。
 労災にあった場合には、あきらめずに弁護士などの専門家に相談するのが良いでしょう。労基署に労災と認めてもらうための様々な証拠の収集についても、専門家に相談するのが得策です。
   
弁護士法人 おおいた市民総合法律事務所